社会人を経験してから大学院に入る (1) 大学院受験の決意と困難?
プロフィールに書いてあるように、私は社会人を経験してから、修士課程に入った。
博士課程に在籍していた時に、所属している専攻の助教の先生から、学外向けの専攻説明会で研究の紹介をしてもらえないかというお話をいただいた。
私自身、その専攻説明会に参加したことがきっかけで、その研究科と専攻に興味を持ち受験することになったから、ぜひ、とお引き受けした。
それは、専攻のオフィシャルな説明会の後に開かれたこぢんまりとした会で、5人くらいの学生が自分の研究について紹介するというワークショップだった。私以外の4人の学生は、本当に優秀で、面白く、見事な研究を紹介していて、私も興味深く聞いていた。
本来はそうやって研究の面白さを伝える会だったのかもしれないが、自分の番になった時に、私は自分の研究の紹介に加えて、何の気なしに自分の社会人入学についても触れた。私自身は研究の紹介は他の4人の学生ほどうまく伝えられなかったが、全体の質疑応答時間になった時、会場から社会人枠受験について質問をたくさんいただいた(ように思う)。 社会人と思われる方たちが現役の学生以上に熱心に質問をされていて、興味の高さをその時初めて実感した。
社会人を経験したものが大学院に入るためには、まず受験(応募)しなければならない。
なんらかの理由で合格が確実だというのであれば、心配することは何もない。
でも、そうではなくて、全くもって個人の希望で、競争的な受験をするということになった場合、現役の学生時にはなかった難しさが複合的に伴うと思う。
- 現役の時と比べて、周囲に経験した人が少ないということもあって、情報が限られている
- 平日の少なくとも8時間程度は仕事に従事しなければならず、受験勉強の時間が限られている
- 職場の状況によっては、受験することを秘密にせざるを得ない時もある
- 受験勉強や準備をする際に必要な学術的な書籍、論文、図書館へのアクセスが限られている
これらに加えて、
- (これが一番重要かもしれないが)家族(親・配偶者などなど)と一緒に生活している人は、家庭での役割や関わりがある。
- …そして、現役の時より、いろいろ衰えがあることに気付いたり…(!)
社会人での大学院受験は、社会人枠というのがあって、現役よりも少ない科目で受験できる場合もある。
でも普段の仕事にプラスアルファでエネルギーが必要になるし、頼まれたわけでもないのに、不安やストレスを自分で抱え込むことになる。
私自身も、学部出身の大学でなくて、競争率の高い(人気の高い)大学院を受験することになったから、自分で選択したこととはいえ、その時はとてつもないストレスを感じた。また、仮に合格できたとしても、その時住んでいた場所が大学院から通学できないくらい地理的に離れていたので、勤めていた会社を辞めて入学せねばならず、この選択で良いのだろうかと先行きに不安を感じた。
気力と体力が問われるのは間違いない…。
あえて、社会人で大学院に入ることを考えるキモチの源流はなんだろうか。
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